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ユニークな税「学位税」



世界には個性的な税制度を導入している国があり、そうした実例は日本にとっても非常に参考になるものがあります。ここでは日本以外の国にあるユニークな税のなかから、オーストラリアで採用されている「学位税」についてご紹介します。税の名称からも分かる通り、オーストラリアでは最終的な学歴に対して税負担が定められており、大学卒業以上であれば原則としてこの税を負担しなければいけません。オーストラリアではどんな仕組みで学位税が運用されているのでしょうか。

学位税の仕組み

学位税の仕組み

日本の感覚では「大学卒業者に対して課せられる税」と言われると、まるで大卒者だけに重い税負担があって不公平なように感じるかも知れませんが、オーストラリアでは公平な税システムとして運用されています。その背景にはオーストラリアの教育システムが関係しており、日本とはまったく異なる環境だからこそ運用できる税だと言えます。オーストラリアにある大学はほとんどが国立大学であり、その学費の多くは国で負担しています。ここまでは日本の国立大学と似ていますが、ここで大きく異なるのは学生側が支払う学費の支払い方法についてです。オーストラリアでは原則的に、学生負担となる学費の一部は卒業後のあと払いとされており、これが学位税(「卒業税」と呼ばれることもあります)と呼ばれるものです。つまり、卒業後に学費を返済する奨学金返済のような形で納税するものが学位税という訳です。なお、オーストラリアではこの仕組みを「Student Financial Supplement Scheme(省略してSFSS)」としており、税と同じように徴収して運用していますが、税とは呼んでいません。

大卒者で一定以上の収入がある場合のみ発生する税負担

オーストラリアは日本程、大学進学率が高くなく、大卒者であればほとんどはエリートとして扱われ、収入の多い職業に就けることが多いようです。そうした背景のなか、税の仕組みとしては大学卒業後に一定以上の収入があれば3~6%の範囲で学位税が徴収され、条件に満たない収入である場合には無税とされます。こうしてオーストラリアの大卒者は、奨学金返済のような形で自分の学費を卒業後に払うという訳です。

学位税によるメリット

オーストラリアでこのように実施されている学位税による大きなメリットは、親の経済力によって大学進学の可否が左右されにくいという点があります。もちろん、家庭の事情によっては子どもの労働力が必要で、大学に通っていられないといった事情もあり得ますが、そうした極端な場合を除いては、学生に学びたいという意志さえあれば、自分の学費をあとで支払う前提で大学に通い、卒業を目指せることになります。教育を受ける権利が等しく与えられるという意味では、日本の教育制度よりも平等だと考えられます。

学位税が実現できる背景

オーストラリアと同じ学位税の仕組みは、どこでも採用できる訳ではなく、実現できる背景が必要です。例えば大学進学率が高い場合、オーストラリアのように「大卒者は収入の高い職に就ける可能性が高い」とは期待しづらく、税の未収率が高くなって財政が破綻してしまう可能性が高いと考えられます。また、ほとんどが国立大学というオーストラリアの特徴も、この税を運用するために重要な要素のひとつだと言えます。